リフォーム工事を1000万円で請負い、粗利を200万円予定していたとします。
ところが工事中にトラブルが発生し、予定していた粗利が100万円に減少することがある。
ちなみに粗利とは経費を引く前の利益でありますから、そこからもろもろ引いての純利益は全然少ない数字になります。
予定していた粗利が、トラブルで200万円から100万円に減ったとき、ほとんどの人は「良かった、なんとか赤字は回避した」という心理状態になっている。
この仕事をしていてよく感じますし、それが普通なのかもしれません。
もちろん私にも多少はその気持ちはよぎります。
しかし、それは実際は違うのです。
人間の「損失回避バイアス」というものを昔に知ってから、その自分の心理状態を意識してその都度行動してきた。
元来の性格も手伝い、現在はそのような心境は、私の心の中でほんの僅かなものにとどまっている。
どう思うかと言えば「100万円の利益を儲け損ねた。残念。無念。悔しい」であります。
200万円の利益が予定されていたはずの工事。
終わってみたら利益は100万円であった。
これって、別で200万円の工事を受注し、積算ミス、トラブルなどで工事の原価が300万円となり、100万円の赤字であったというのと、いったい何が違うのかということを考えてほしい。
人は損をしたくないという気持ちのほうが、利益を得たいというそれより遥かに強い「損失回避バイアス」がはたらく生き物だ。
でも、よくよく考えたら、先ほどの100万円の話、同じではないでしょうか。
私は損はしたって良いと思っている。
いや、したくなくてもするし、社長として、元請けとして、そうしないといけないこともある。
そこでぐじぐじ言いたくないし、それが責任をとるということであると考えている。
なので、損失に対してあまりクヨクヨもしないし、まぁ討ち死にしなければ良いという考えである。
ただ、勝ちきるときはもっともっともっと貪欲に勝ちきりたいし、勝ちきってほしいと思っている。
繰り返しますが、200万円の粗利が100万円になったのと、200万円の受注で100万円の赤字を出したのと何が違うのかを、あまりそこに関して意識してこなかった人には改めて考えていただきたい。
要は合計利益が大切であります。
1年間でどれだけ勝ちきれるか。これが会社であり、個人でもあります。
利益を出せるところでしっかりと稼いでおくことこそが、必ずやってくる損失であったり、薄利を凌駕してくれる。
損をしたくないっていう気持ちが根底にあるのを理解しながら、ここぞというときに儲けきることができるか。
それが私が社内でいつも言っているバントは要らないから振り切れということでもあります。
同じ100万円でしょう。