お住まいや店舗のリフォーム、かかりつけがなければ、初回は複数の会社で相見積りをとられる方もおられると思います。
その際、見積りをもらうでしょう。
その見積りをあなたがご覧になられたとき、素人ながらに、うっすらとでも、工事の内容がイメージできる見積りをくれる会社、担当を選ぶのが正しい。
私は思います。
この業界の見積りは、年々簡素化してきていると。
私がこの業界で仕事を始めたとき、いわゆる「リフォーム専門店」っていうものはまだ少なかった。25年前です。
なので、塗装でも屋根でも、ましてや大工工事の見積りはまだまだ工務店が作っていて、記載は専門用語、複雑でした。
なぜ複雑かって言いますと「使用する材料、手間を分かっている人間」が見積りを作っていたからです。
大工工事、何を書いているのか分かりませんでした。
1、寸3 6本 560円 3,360円
2、寸5 12本 1,000円 12,000円
3、胴縁 30本 380円 11,400円
4、WW 20本 880円 17,600円
5、針葉樹 9枚 1,550円 13,950円
6、ボード 12枚 600円 7,200円
7、水盛り、遣り方 1式 15,000円
8、大工手間 1式 80,000円
みたいな
塗装工事も同じです。
養生費、高圧洗浄、ケレン、コーキング増打ち、外壁下塗り〜みたいな。
そうそう、なぜか塗装業界は「付帯」っていう単語を使いたがるんですよね。
でも、今はこんな見積りを書く人も減っていると思います。
リフォーム専門店が台頭し、その後、家電量販店やホームセンターなどもリフォームを始めましたよね。
そこまで詳しくない人が見積りを作成しているし、彼ら、彼女らが見積りを作れるよう、会社側も簡単なフォーマットを作りました。
私の記憶では、それを発明したのは当時、ネーミングから一世を風靡した「新築そっくりさん」を展開した住友不動産であったように思います。
「この部屋を工事したらいくら」みたいな見積りでありました。
例えば、子供部屋改修 1式 245,000円
よくこれで決まるなぁ(契約がとれるなぁ)と感じたものですが、会社の信用でしょうね。
ただ、その方式でやると非常に高額となります。
お客様に提示する金額が存在それば、建築には必ず実行予算と言われる原価があります。
1式245,000円で、どんな子供部屋の改修も予算をはめようとすれば、A様のおうちの原価は200,000円であったが、B様は140,000円、C様は175,000円ということは当然ある。
なので、会社側として高め、高めに設定します。
実際に、住友不動産の見積りなどは、営業担当者は原価なんか知らなかっただろうし、私が積算するに(何回もした)粗利は40%〜45%は普通にあるような高額なものでありました。
では、本題に戻しますが、なぜ「その見積りをあなたがご覧になられたとき、素人ながらに、うっすらとでも、工事の内容がイメージできる見積りをくれる会社、担当を選ぶのが正しい」かを話します。
それはまずリフォームって、営業担当者を1人前に育てようと思ったら、センスのある人間でも5年から10年、普通で10年以上かかる難しいものであります。
そして、リフォーム工事って必ず成功するものではない分類のサービスなのです。
まぁ、300万、500万、1,000万と規模が大きくなるほど、工事をうまくおさめる難易度は上がっていき、実際に終わったとき「最高の工事をしてもらった」と感じられるお客様は、金額に比例して減るのがこの業界であります。
この原因、1番に営業担当者のスキル不足があります。
それをお客様が事前に感じ、読みとるに「見積り」が重要になるのです。
今回施工する工事内容を、端から端まで説明できる担当者であることは、工事を成功させる上で欠かせません。
そして、そんな人間だからこそ、前述の材木1本1本までの見積りでなくとも、ある程度詳しい、工事内容が読み取れる見積りを作ることが可能となります。
工事内容を理解していないのに、台所工事 1式 780,000円と記載されている見積りは、私に言わせれば爆弾です。
何が起こるか分からない。
ボーンっていつ爆発(トラブルが勃発)してもおかしくないと思われた方が良いと理解するべしが、1式見積りなのです。
内容を細かく把握していないからお客様とは言った、言わないの話になります。
また、職人にはきちんと指示を出せないので職人は勝手に作業をします。
当の営業担当者本人は、日が経つにつれ、工事内容の記憶が薄れますし、忘れます。
それらから、こんな仕上がりだと思っていなかったとクレームになります。
これがクレーム産業と言われる、リフォーム業界の実態ではないかと私は思うのです。
さらに、リフォーム工事の見積りを作るには必須のスキルがあります。
それは木工事を理解していることであります。
設備工事や電気工事も大切ですが、また、塗装工事や板金工事、クロス工事に左官工事やタイル工事も重要ですが、木工事がリフォームの、ひいては建築の要諦であり、花形であります。
木工事を分かっていない電気職人や塗装職人が、リフォーム工事をにわかに受注し、元請けとなり、トラブルを頻発させるのはそういうことであるんですね。
とにかく、見積りをご覧になられたとき、なんとなくでいいので、工事を順番に書いてあり、内容を読みとれるような見積りをくれる会社、担当者を選ばれた方が失敗する確率は減ります。
最後になりますが、実は理由はもう1つあります。
これで最後。
リフォーム工事を成功させる要件として、テクニカルなものと並び、コミュニケーション能力が求められます。
新築と違い、工事中、お客様はおうちに住んでおられます。
細かい作業報告に加え、思いやり、相手の立場、気持ちになれる担当者である方が、きっとあなたは工事に満足されることでしょう。
そんなとき、見積りを見るんです。
1式の見積りって、手間がかからないんですね。
でも、お客様に伝わるように、また見返したとき、営業担当者自身が内容を思い出せるような見積りって、作るのに時間がかかります。
これが、その担当者の心、人間性を表しています。
我々にとってはたくさんいるお客様ですが、でも、お客様にとっては「このリフォームが全て」大切な我が家の工事。それを想えるかどうかって、求めたいところではありませんか。
手間ひまをかける会社、担当者を見極めるのも見積りであります。
1式見積りは楽なんです。
ということは、一時が万事ですから、釣った魚にエサはあげないことになりましょう、その会社、担当者は。
リフォームは契約してからがスタート。そこからが本番です。
見積りって深い。
見積りは計算でありますが、演出であり、説明であり、思いやりであります。
そんなふうに思いながら、どこに決めるか選ばれた方が、あなたのリフォームは成功に近づきます。
間違いない。
書いていたら、興奮してきて、久しぶりにリフォーム屋っぽいことを書いたな。
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