2022年08月28日

「決戦!株主総会」を読みました

「決戦!株主総会」〜LIXIL死闘の8カ月〜を読みました。

 
決戦株主総会

 
まず第一に、著者である秋場大輔氏の取材力が素晴らしいものだと思った。

 
業界で働いていないにも関わらず、卸や工務店の当時の感情を的確に把握しており、描写されていた。

 
瀬戸氏が取り入れた制度で、卸売の価格をその会社のサービスレベルと、前年の購入量で自動的に決めるというものがあった。

 
確かに、ややこしいしがらみが排除され、LIXIL単体としての経営効率は上がるかもしれないが、LIXILを売ってやろうという気持ちは落ちたと思う。

 
車や新築の家と違い、住宅設備機器というものは、消費者はメーカーや商品を指名買いすることはほぼない。我々工務店や卸が推す商品を疑いなく買っていただく文化がある。

 
住設のメーカーはそこは絶対に軽視したらいけないと思うのであるが、これから先はどうなるのか。

 
 
大企業にはこの本にあるような権力闘争はあるだろう。潰れることが考えにくいような組織は人事が最大の関心事だ。

 
LIXILの社員はこの本を読めば良い。ただ、現社長の瀬戸氏目線で書いているから公平性はないと思うが、自分の会社の出来事を知った方がいい。

 
その上で、将来のビジョンを明確に持ち、そこを目指さないといけない。今まで多くの方にお世話になってきたが、50歳を超えたら皆さん姿を消していく。勝負は30代だと感じるし、大企業だということにぶら下がっていたら簡単に振り落とされる。

 
大企業に就職したからと言って一生安泰ではない。特にこれからは。

 
 
この本を読み、再度、コーポレートガバナンスの重要性を感じました。理解し、それに基づき進むのが現代に求められている経営だと再認識しました。

 
また、潮田氏が悪役みたいに書かれていましたが、当事者や経営層、また社内でしか分からないこともたくさんありますからねと思いながら読ませていただきました。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
posted by orangeknight at 09:41
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