セミナー146 「カラーベストにはカバー工法がおすすめなわけ」

 
屋根材にはカラーベストというスレートでできたものがあります。洋風のお住まいに多いのですが、築10~15年で外壁と一緒に塗装する場合がほとんどです。
しかし、屋根塗装は1回目は特に問題が起こりませんが、2回目にはリスクが潜んでいるんです。
 

■ カラーベストとは

 
カラーベストとは商品名のことで、屋根材などを扱っているケミュー株式会社が販売しているスレート屋根材のことになります。スレート屋根にはいくつか種類があり、一般的に使われているのが「化粧(人造)スレート」と呼ばれるものです。主な材料をセメントとし厚さ5~6mmほどの薄い屋根材になります。その中でも最も普及したのがケミュー株式会社が販売している「カラーベスト」です。同じくケミュー株式会社が販売している同じスレート屋根材の「コロニアル」も同じく商品の一つです。

 

■ スレート屋根材のメリットとデメリット

 
メリット デメリット
軽い
粘土瓦の半分程度の軽さで地震に強い。
色褪せする
表面の塗装が劣化すると色褪せしやすい
※最近のスレートは色合わせしにくい
施工しやすい
様々な形状の屋根に対応可能。
簡単に施工できるため工事が短く、
施工費も安く抑えやすい
割れる場合がある
積雪、ひょう、強風などで割れることがあり、
雨漏りの原因になる場合がある。
耐久性が高い
耐用年数は30年程度。
丈夫な材質を使っているので長持ち
コケが生える
表面の塗装が劣化すると
日当たりの悪い北側などでコケやカビなどが
発生する場合がある。
燃えにくい
火災が起きても燃えにくい
延焼による被害も防ぐ。
ランニングコストがかかる
一般に10年毎の塗装、
30年程度で葺き替えもしくは
カバー工法などのメンテナンスが必 要
カラーやデザインが豊富
天然石調、グラデーション、波型など豊富
凍害に弱い
積雪が多い地域には使用できない
 

■ スレート屋根の施工方法

 
施工方法としては

 
塗装重ね葺き葺き替え
 
リフォームの目安は

スレート屋根の場合は約10年に一度の塗りなおし、そして30年に一度の葺き替えが基本と言われています。

ここがポイント

スレート屋根は、製造された年によって材質に違いがあります。

    • ① アスベストの使用禁止となる2004年10月以前のスレート瓦
    • ② アスベスト使用禁止前後のスレート瓦
    • ③ アスベストに代わる繊維として自然繊維等を使用したスレート瓦
 
②のアスベスト使用禁止前後の商品の中には割れやすいものや、ミルフィール状に剥離していて塗装できない商品もあるので注意が必要です。

 

■ 施工の際の注意点

 
スレート屋根材は塗装や葺き替えなど定期的なメンテナンスが必要です。

そのリフォームの1つ、屋根塗装は1回目は特に問題が起こりませんが、2回目にはリスクが潜んでいるんです。
詳しく見てみましょう。

「縁切り」しないと塗装後に雨漏りする!?

カラーベスト(スレート)は屋根の中に雨が入ってもすぐに流れ出る仕組みが大切なんですが、リフォーム(屋根塗装)の際にスレートの重なり部分の隙間を塗料で塞いでしまわないように、工具を使って隙間を作る「縁切り(目地切り)」と言われる作業が必要になります。縁切りをきちんと行わないと、屋根の中に入った雨が常に乾かなくなり※ルーフィングや野地板を腐らせたり、スレート屋根自体痛めたりしてしまいます。

カラーベスト縁切りをしないと雨漏りや屋根自体が腐る?!

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カラーベスト割れたり反ったり砂みたいに柔らかくなる
このようになってしまうと野地板からの改修が必要となり葺き替えをしないといけなくなります。

そこで、そうなる前にオレンジナイトでは一度屋根塗装をされた築20~30年くらいのCLUB会員様にはカバー工法をご提案させていただいております。

 

■ カバー工法とは

 
では、カバー工法とは何なのか見ていきましょう!

カバー工法とは、簡単にいうと既存のカラーベストの上に屋根材を重ねて葺くことです。

既存のカラーベストの上に、片面に強力な粘着剤のついたアスファイルトルーフィングを貼っていきます。

アスファイルトルーフィング

カラーベストにはカバー工法がおすすめ

カバー工法で完工した屋根
オススメは「ニチハ 横暖ルーフαS」です。

断熱材もセットになったガルバリウムめっき鋼板です。

カラーは4色、将来塗装の必要なしです。

施工費用もオレンジナイトでは9,000円/㎡と比較的安価で、トータルで見てもオススメのリフォームでございます。

■ 豆知識

 

アスベストとは

アスベストとは天然の鉱物から得られる繊維で、石綿(いしわた・せきめん)と呼ばれています。

硬くて丈夫で燃えにくいなどの特性から屋根材などに使用されていましたが、アスベストが空気中に飛散し、人体に入り込むと中皮腫(ちゅうひしゅ)・肺がんの原因となるため、現在では使用が規制されています。

アスベストが含まれる屋根材の解体費用は業者によって異なるが、通常の2倍以上と高額になるため、カバー工法が用いられることが多い。

 

■ まとめ

 
「カラーベストにはカバー工法がおすすめなわけ」

いかがでしたか?

ご自身ではなかなか目につきにくい屋根でございますが、定期的の点検やメンテナンスは必要だと思います。
どんなことでもお気軽にご相談くださいませ
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