2021年07月19日

勝ち方

難しいところであるし、いろんな意見があるでしょう。昨日の大相撲の白鵬の戦い方。

 
まず見習わねばならぬのは、今の日本人に欠如とまでは言わないが、少なくなっている執念。根性。ハングリー。

 
何不自由なく育った私もそうですが、歯を食いしばって頑張るという事など、多くのことを学ばせてもらえた。これは事実であり素晴らしい。

誰もが先場所で白鵬は引退すると考えたはずだ。

 
 
そんなことも踏まえてではあるが、勝ち方が腑に落ちない。何か納得のいかない14日目の取り口、そして千秋楽でありました。

 
勝てばいい。確かに勝負ではそうかもしれない。

 
でも、私はそうは思えない。

 
商売というものは「儲かればいい」というものでないと思ってやっている。

 
そんな想いだから儲けきらないのかなと考える自分もいるのですが、どうしてもそんな考えになれない。

人に喜んでもらった上で利益を出すという大前提の儲け方がある。

 
 
勝てばいいのか。

 
勝ち方というものがあるのではないか。

 
昨今、そういうものは軽視される風潮にある。

 
それがグローバルだと言われたらそれまでだが、ただ、物事はグローバリズムという考え方が頂点というわけではないだろう。

 
 
相撲は昔から好きだ。

 
なぜならあの間合いや空気が好きだ。

 
格闘技とはまた違った側面がある相撲。

 
横綱とは尊敬を集める存在ではないのかと考えている。

 
横綱はみんなたかだか30歳前後である。一般社会で言えばまだまだ若造だ。

 
そんな若造を、まわりの人が「横綱、横綱」と呼ぶのは決して強いからだけではないだろう。

 
後のない存在。いろんなものを背負っていること、そういった全てに感謝し、敬意を払っているのではないか。

 
 
そもそも相撲は武士道につながる。

 
これも育った環境、ましてや国により考え方が違うので、絶対に外国の人には分からない感情、感覚かもしれないが、武士の美徳というものが存在する。

 
武士道には勝てば良いという思想はないだろう。

 
相手を敬い、正々堂々と。

 
武士の決闘は刀どおしで行うし、相手の弱みは攻撃しない。ましてや相手を斬りつけ、倒れた者を前にしてガッツポーズなど最低の振る舞いでしかない。

 
命懸けで戦い、戦った者どおし、彼らにしか分からないお互いへの思いやりは存在するものではないか。

 
 
美しさや暗黙の了解などが通用せず、全てルールに基づいてという価値観がはびこるなら、相撲協会はあのようなエルボーは禁止にすべきではないか。明文化すべきだ。

 
そして、格闘技という側面を前面に出すならやがて大相撲は衰退するでしょう。いくらでも他はあるし、他はもっと自由である。

 
 
勝てばいいというものではない。勝ち方ってあるだろうと思う。

 
儲かればいいというものではないと、いつも思って生きている。なのですごく腑に落ちない昨日の全勝対決でありました。

 
 
勝って、あのまま引退すると言えば、それはまた見方も変わったなぁとも思うのです。

 
 
ただ、他の日本人力士にはお前らもっと本気でやれよと、命かけてやれよとも思うのであります。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
posted by orangeknight at 11:58
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