行こうか迷ったが、やっぱり行きました。


この屋台を観るために。
新調するらしく、見納めなんです。
ちょうど30年って、私の祭りの練り子人生と同じです。
高校生で屋台を担げるようになって。
そう、あのとき白木(しらき。まだ黒い漆を塗っていない、木のそのままの状態。新品で美しく見えるから最初はその状態で披露している)
の屋台だったなぁ。新品。
木の匂いもしたし、本棒(屋台を担ぐときための太い棒)なんか真っ白だった。ツルツル、サラサラだったなぁ。
私、いつも同じ後ろのかんぬき(本棒と本棒の間の場所)にいたんで、そこには私の汗が間違いなく染み込んでいるだろう。
そんな30年間担がせてもらったこの屋台。
引退らしいです。
新品の屋台を18歳からずっと担がせてもらったなぁ。
ありがたいなぁ。
10代、20代の頃はそんな感覚はなかったが、いろんな人の力で、新しい屋台をずっと練らせていただいたと、もう10年以上は想っている。
今、あのおっさんたちの気持ちがちょっと分かる気がする。
寄付は100万はしようと思う。30年間ずっと屋台を練らせていただいた感謝の気持ち。そしてそれは順番やなと思っている。
そう想いながら眺めていた。
最後にちょっと練ってみたいな。
あの感覚は一生忘れないだろうな。
肩に食い込む感じ。
木の軋む音。
ちょっと後ろが下がる感じで、ガブリながら進んだときの伊達綱の揺れ具合。
いま、これよ〜という瞬間があったなぁ。そんな長続きしないけど、みんなの息のあったその瞬間。

明日、明後日、私は行きませんが、良い祭りになりますように。