2021年09月15日

現場ではこんなふうにいつも思っている

 
工事の現場ではいつも最悪の事態を考えているのに加え、その先の責任の事を考えている。

 
例えば現場で、工事中にお客様のおうちをキズつけてしまうこと。大なり小なり絶対にないことはない。

 
なので養生に対しては人一倍いう。なぜなら「すみません」ではすまないから。必ず責任にはお金が伴う。

 
廊下をキズつけたならそれを直さないといけない。もちろん既存の廊下が気に入ってらっしゃる場合もあるし、心の問題もある。

 
仮に床の貼り直しとなったら廊下なら10万円はかかる。壁となったらどのようにして直すかにもよるが同じくらいかかる。

 
伺って謝るのも時間を使うし、かけがえのない置物などを壊したら謝罪ではすまないが、法治国家なのでお金でしか責任がとれないので換算する。

 
仮に現場で、たばこの吸い殻を捨てる缶が家の近くにあったら、私はたばこの臭いではなく、おうちを全焼させたら2千万と瞬間で連想している。いや、家財合わせたら3千万。引越し、ハイツ代入れたらプラス300万と。

 
足場にヘルメットなしで誰かが登っていて、仮に落ちて死んだらと恐ろしいといつも思う。このように思う。

当然当事者もかわいそう。

ただ、それに加え、お客様のおうちなら死亡事故を起こした損害賠償、また亡くなった職人の家族から訴えられでもしたら裁判費用30万。仮に管理面など完全に裁判で負けたら2億。人一人は今は2億円だといろんな保険屋さんに聞かされている。

 
台風で足場が倒れたら、保険はかけているが先ほどの死亡事故と同様、営業停止となったらその間の給与をはじめとした固定費の支払い、そして風評被害による売上の減収。当然来年は保険の掛け金も上がる。

 
足場が倒れてたまたま通行人に当たって死んだらまた2億円。ご家族に対する謝罪の現場は想像を絶するとイメージできる。

 
 
そんな事を責任者なので考える。誰も尻をぬぐってくれない。誰も。

 
死亡事故など、とんでもない問題を起こしたら新聞にも社名と私の名前は載る。

そうなったら大きな金額の損失が発生し、取引先にも「ご迷惑をかけすみません」ではすまない。

 
 
現場ではそんなふうにいつも思っている。

お金のことを真っ先に連想する。

全部そこに繋がるような思考回路になった。知らぬ間に。

 
リスクをとったらリターンが見込めるところでは攻めたい。そういうのが大好き。

 
しかし、リターンのないところでリスクは出来る限り無くさないといけない。

 
 
現場ではいつもこんなふうに思っています。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
posted by orangeknight at 11:07
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