
日本の野球の「あたりまえ」とか「思考停止」を考え、それを再定義するような一冊でありました。
送りバントをしない方が特典確率は上がるということを知っている人は多いと思いますが、それが直近3年間のプロ野球で比較すると、犠打をした場合の得点確率は38.5%であるのに対し、しなかった場合は59.9%と20%も違うなんて、これは数字で知っておかないと勝ち負けに影響を及ぼすレベルです。
また、近年、4番最強説は日本でも薄れてきていますが、まだまだホームランバッターは4番ですよね。
しかし、これを打順別でのシーズンを通しての1試合平均打席数を出し、考えられていて実におもしろい。
データがこちらです。
1番 4.6回 1試合にだいたい4.6回打席がまわるということです。
2番 4.4回
3番 4.3回
4番 4.2回
5番 4.1回
6番 4.0回
7番 3.9回
8番 3.8回
9番 3.9回
となっていきます。
例えば王さんの現役通算本塁打数は868本で、本塁打率は10.65らしいです。つまり、11打席に1回ホームランを打つんですが、先ほどの1試合平均打席数で考えると、4番であった王さんが、1番を打っていたら少なくとも1シーズンの本塁打数は4本増えていた計算になり、現役22年間の本塁打数は868本ではなく、956本になっていたと。
前述の2つのようなことから、送りバントを出してクリーンアップで得点するというような昔ながらの指導をしていたらメジャーには勝てないと。
良いバッターに、少しでもたくさん打つチャンスがめぐるように、打順は編成するのが理にかなっている。
こういうのって、我々の仕事にも当てはまると思うんですよね。
結果が出るのは理にかなった動きをしているからであり、それが正しいわけです。
昔から最強は4番だからという固定観念が、今現在の我々の生産性を落としていないかと。
そういうふうに改めて考えさせていただきましたし、私にもきっとそういう固定観念あるんだろうなと。
そうそう、あと、これも知っていた方は今後の野球は楽しめますよ。
「フライボール革命」
これは、ボールを叩いてゴロを打っていくんではなく、アッパーでフライを打とう。フライを打った方が、長打率が上がり、得点率が上がる。なのでフライを打つバッティングをしていこう、というものですよね。
フライはあかんという日本人の概念。
しかし、今はフライの方が良いんです。
また、良いフライってあるんです。
バッティングはアッパーで。
良いですね。常識をぶっ壊して、私もまだまだもっともっと成長したい。
素晴らしい1冊でした。
今日も1番で打って、下から上へ振り、やりきります。