社長の日記「つみかさね」

社長の日記「つみかさね」

2015年01月11日

食べ物の異物混入

食べ物の異物混入の話題は先週朝からずっとやっていました。

ビニールが入っていた、歯が入っていた、コオロギが、とにかくいろんな物が入っていた!と。

私の個人的な見解ですが、そこまで騒ぎ立て、世論を煽り、この社会をなぜそんな世知辛い方向に導こうとするのか、非常に理解に苦しみます。

中国であったような腐った肉を加工して分からないだろうと、またコストを下げるためにするような行為はここでは論外、工場内に劇物や毒物を持ち込み、それを混入させるなどは犯罪であり全然違う。

工場で作ったものに体に異常の出ない程度の異物が「たまに」「稀に」入ることもあるんではないかと私は思ってしまいますし、そこまで騒ぐことでしょうか。

もちろん生産側は不断の努力でそういったことが無くなるようにしなければいけないでしょうし、それがメーカーの義務です。

私は生産する側でありますが、一消費者でもあるので思いますが「食べる側も、殺菌滅菌されて完全にピカピカのまっさらの魔法で生まれてきたような誰もがさわっていない商品を眼をつむってか、テレビをみながら食べている」ような事ではいけないですし、安心して食べればいいんですが、ここは実社会であり、いろんなことがあるという感覚を持たないといけないと思います。

魔法で、ハイッと出てきたハンバーガーなら何も入ってないですがそんなの漫画です。

実際は牛が草食べて育ち、それを食用にし、ミンチにし、ハンバーグにし、パンの間に色んなものを入れ袋に入り我々の元へ。

その間に数が多くなればなるほど必ず何かあるでしょう。

マクドナルドは全国に3000店舗以上あり、そこでいくつハンバーガーが売れているのか知りませんが、数百万個のハンバーガーから一つくらい毛やゴミや虫は出ますよ。

店側は出したらいけんませんし、その時はきつく叱られたらいいんですが消費者はそれは「勘弁してよ!」と怒った上で受け入れるのが私は本当に目指すべき社会だと思います。

生まれてから食べようとした白いごはんに髪の毛が入っていたことが無い人はいますか。

私など何回母に「毛ーが入っとう!!」と言ったかわかりません。でも死にはしませんし、病気にもなりません。

飲食店で働いたことがある方ならイメージできると思いますが、厨房は結構どこも汚いですよ。

毎日毎日掃除して、拭いて、消毒していてもゴキブリはいますし、冷蔵庫の取っ手は何か付いています。

私は昔ある回転寿司でアルバイトしていて、サラダをオーダーいただき持っていったことがあります。今でもはっきりと覚えています。サニーレタスを敷き、その上にポテトサラダを盛ったものです。

お渡ししてしばらくしてからその席の前を通ると「おい、兄ちゃん!」とその7〜8人のご家族の当時70歳くらいのおじいちゃんに呼び止められました。

いかめしい顔でサラダを私に見せ「おまえ、ワシが食う前に青虫が食いようやないか!」と笑ってお叱りを受けたことがあります。

その場は平謝りし、もちろん変わりをお持ちしましたが、後にも先にもそのご主人は笑顔でした。

厨房ではサニーレタスの葉を一枚一枚ちぎってから洗い、水をきってから冷蔵庫に保管していました。

虫がいたのは事実なのですが、最初からか途中からかはわかりません。

すみません、と思いましたし、次から洗うときは虫がいないかも確認するようになりました。


確率論ですましてはいけませんが、消費者は病気や死ぬようなものでないような時で、売り手がわけのわからない開き直りをせず真摯に謝罪したときは「しゃーないな」という感覚を持ち合わすことも大切です。

我々一人一人がそんな意識をなくし、魔法のごはんを食べているような錯覚に陥り、すぐに被害者になっているようでは誰もが言う世知辛い世の中は変わりません。

長くなりましたが、日本人は性善説で物事を考えますので時には甘いかもしれませんが、優しい社会を実現していたのです。我々の食生活が木の実をそのまま、魚や肉をそのまま食べるのではなく、人が手を加え、加工してそして料理して行うようになったのであれば、人生で一回や二回のあってはいけない食品のトラブルもきちんと見て食べて防ぎ、受け入れることもお互い様なのではないかと私は考えます。


posted by orangeknight at 17:11
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